子育て支援センター存続にむけての取り組みについて

鹿児島市内の5つの子育て支援センター(松青ひろば、はらっぱ、いっぺこっぺ、つくしぴよぴよ、わくわくパンダ)の廃止が8月に発表されました。
私は、5つの子育て支援センターは、鹿児島市の育児支援の充実のために必要な施設であると考え、存続を希望する利用者の皆さんと共に、廃止撤回を求める活動を続けています。

 

1、経緯

 

今年8月1日に開催された「子育て会議」の内容が2日に南日本新聞で取り上げられ、5つの子育て支援センターが廃止されることが分かりました。その後まもなく、存続を希望する方からの相談を受け、調査を進めました。
鹿児島市が施設縮小の方針を定めたのは2年前の10月。平成29年度鹿児島市行政改革推進委員会からの評価結果が提出されています。その後2年間、支援センターの利用者には一度もヒアリングやアンケートなどをとらず、当局による施設の視察などが行われることもなく、今年8月の「子育て会議」において、5ヶ所廃止が発表されました。
翌日の報道で廃止を突然に知った利用者や関係者が声をあげ、街頭やネットで署名を集めるなど、大きな動きとなりました。

 

2、問題点

 

9月17日の本会議のぐち個人質問で一番にこの問題を取り上げ、市長の見解と当局の答弁を求めました。事前の調査と本会議質問を通して、以下のような問題点が浮き彫りになりました。
市議会本会議個人質問(9月17日)

 

【廃止決定まで施設の視察や利用者への聞き取り調査などが行われていない】

 

当局は、廃止の理由を「他の拠点施設との重複」としています。しかし、「重複」を構成する詳細とは何か、他施設との機能重複、利用者数減少を示すデータはどのように調査されていつから公表されているものか、曖昧です。

・平成29年度「鹿児島市行政改革推進委員会」での取りまとめの前後において、委員会は一度も5カ所の現地見学を行っていない

・どのような素材から評価結果を取りまとめたものか曖昧

・今年8月に開催した「子育て会議」のメンバーで、5カ所の現地見学をした人が1人もいない

 

本来、廃止などという重大事は利用者に極めて早い段階でヒアリングをして、意向把握を大前提に判断すべきものではないでしょうか。利用者の多くは、8月2日の新聞報道や、その後始まった廃止撤回を求めるキャンペーンで初めて廃止を知り、驚いています。当局は、廃止決定を昨年度末に運営側に伝達済みで、その時点から利用者にも伝わっていたのでは、と言いますが、運営側の受けとめとは相当異なります。昨年度末の当局からの説明時点で利用者への周知要望が文書と言葉で明快に伝わっていれば、今のような状況は起きていないはずです。

 

【集約先の施設への移動が与える精神的・肉体的疲労と金銭負担増は考慮されていない】

 

当局は、5ヶ所の支援センターを「廃止」ではなく「再配置」と言い、緑ヶ丘は吉野へ、伊敷は下伊敷へ、紫原は城南と中町へ、谷山中央は西谷山へ、郡山は同町内へ、支援センターの機能を集約する、としています。しかし、充分な調査が成されていない結果、たとえば以下のような具体的問題が検討されていません。

・集約先とされる「親子つどいの広場」の企画への応募殺到(定員枠ありは10組のみのものが多い)でたびたび抽選に外れる人の存在などは集計把握されていない

・これまでのセンターにベビーカーを押して徒歩で利用していた方が、集約先の施設まで車で行くことの負担について考慮されていない

・駐車場が満車の場合の対応について検討されていない

・集約先で、夏休み等の長期休暇に0歳から未就園児の利用者の兄姉の利用はあるのかないのか、トラブルやけが等のリスクを考慮していない

 

「大規模施設に集約」は、時代の流れや、本市の「歩いて暮らせるまちづくり」にも逆行します。遊び場の選択肢の減少、利用者の特定施設への集中により、施設や駐車場のさらなる混雑が予想され、育児の悩みを相談する場や機会を減らすことにつながりかねません。

 

【そもそも「子育て支援センター」と「親子つどいの場」は役割が異なる】

 

以下は、8月2日の報道で初めて廃止を知った利用者の声の一部です。
「センターでは50%、親子つどいの広場では広くて一瞬たりとも目が離せなくて100%の注意力が必要」「親子つどいの広場は単なる室内公園で、こどもは泣かせられない」
「あのような大規模が苦手な人はこもらざるを得なくなる」
「走り回れたらいいという単純なことではない」
「センターに来ればこどもとの一対一から解放されて、すごくリフレッシュしてまた子育てを頑張ろうという気持ちになれる」
「両者は全く別物で今、両方使っていても利用目的は全く違う」

 

こうした実感に満ちた言葉の数々を、現地見学をしないままに推し進めてきた当局と関係者は果たして理解できるでしょうか。
ほどよく目が離せる施設(約80㎡という、初めての方にも親和性と開放性を両立する絶妙な面積)規模であるからこそ、職員はこどもの名前や子育ての状況をよく理解しており、利用者にとっては相談しやすい場になっています。また、それぞれセンターでのイベントやお便りで、利用者同士が情報共有・交換できる機会が多く得られているようです。身近にセンターがあることが、こどもの成長を助け、親の子育てに寄り添い、子育ての社会的な孤立を予防する公共的な機能を果たしていると考えられます。
また、廃止によって、今のセンター職員の相当な知識及び経験のある方々の出番を損失してしまい、著しく多面的に「質」が滅失することになると考えます。

 

【「廃止」か「再配置」か「新設」かはっきりしない】

 

・代表質疑でも「支援機能の低下懸念には、今後、利用状況やニーズ等の把握に努め」といった、廃止を決めた後にそぐわない答弁があった

・廃止は決めたものの、場合によっては新築もあり得るかもしれない公募事業者の選定スケジュールの詳細は全く示されていない

・来年4月1日に間に合うとは受けとめられない「来年度のできるだけ早い時期から運営を開始したい旨」の答弁

・新設されるとする施設が、本当に代替施設となり得るのか、根拠が明文化されていない

 

3、見解

 

このように、支援センターの廃止は、本市の「子ども・子育て支援事業計画」7つの基本視点(子どもの最善の利益を尊重する・利用者の立場に立つ・地域における社会資源を効果的に活用する・サービスの質を向上させるなど)とは大きく食い違う状況へつながります。また市長が掲げる「子育てするなら鹿児島市」のスローガンとも矛盾・逆行しています。転勤などで鹿児島に移住した方々にも大変評価が高く、鹿児島市民の暮らしに身近な「子育て支援センター」は、むしろもっと増やす必要があると思います。

森市長は「今、本格的な人口減少の局面」と述べていましたが、今必要な事とは「子育て拠点再配置の見直しによる既存施設の継続運営」であり、さらに身近な支援センターを増設することではないでしょうか。それができない場合、代替施設が既存施設の代替が可能になるように条件を整えることを明確にできるまで運営継続が必要と考えます。「切れ目のない総合的な支援を掲げる当局の計画」を当局自らが壊しているのではないでしょうか。核家族化や少子化が進む現在、こどもを産み育てたいと思える環境を作り出すことが鹿児島市の責務であり、施設廃止は真逆の行為と考えます。

 

4、廃止撤回に向けての取り組み

 

【10月5日、街頭アクション】

天文館通り会の皆様にもご理解とご協力をいただき、10月5日に、天文館の街頭で、スピーチと署名集め、ベビーカーを連ねて「なかまっち」までパレードをするキャンペーンを行いました。街頭から多くの応援をもらいました。アクションに参加した方々の、率直な気持ちを表現する姿が印象的でした。
当日の様子を映像でご覧頂けます。

 

参加者からの声をひとつ紹介します。
「育児がいちばん大変だった頃、支援センターには大変お世話になりました。「りぼんかん」など(親子つどいの場)は、規模が大きくて混むけど毎日開いているところと、「はらっぱ」など(子育て支援センター)、開所日は決まっているけど小規模で手厚いところと、組み合わせてほぼ毎日通っていました。生活そのものでした。支援センターで出会ったママ友は、今でも連絡を取り合うし、一生の友人。先生とも顔なじみで、子どものことも親のこともよく分かってくれます。大切な居場所をなくさないで!」

 

【署名活動】
紙面の署名は10月4日時点で5,298筆が集まりました。WEB署名は100名を超えました。引き続き集めています。こちらから

 

【議員として】
最終本会議終了直後にも、森市長へ存続への対応を改めてリクエストしました。30日には皆で市長に署名を直接お渡しします!今後も市長、当局との交渉や調査を重ねて、子育て支援センターの存続や増設に向けて取り組みを続けます。